ランタン・トレッキング記(2012年10月22日~28日、7日間)行きについて2回に分けて記します。

日本ではトレッキングと言うと単に山歩き、或いは軽い登山と言う意味で使われていますが、前稿にも書きましたがネパールでは厳密に意味を規定しており、6,000m以下の山歩きをトレッキングとしていて、安い入山料で山歩きを楽しめます。

今回、私はランタン・リルン(7,227m)から流れる氷河を眺めに7日間のトレッキングに行ってきました。このトレッキングルートは、世界で一番美しいと言われているランタン谷を徐々に高度を上げながら、氷河を眺める最終目的地の4,335mのピークまで行きます。

最終目的地のピークから見るランタン・リルンから流れる氷河

このトレッキングに行く前に旅行会社にパスポートと入国ビザ、査証印頁のコピーを提出し、国立公園への入域許可申請し、入山料3,000.-NRsを支払い、手続きは入域する際にガイドが行い、ランタン国立公園事務所で入手してくれました。

カトマンズを7時半頃に出てシャプル・ベンシ(1,460m)迄、旅行社が手配したランクルで行き、13時頃歩きだし死ぬような思いで何とか4時間ほどのトレッキング初日を終わり、その後も常にガイドに見守られながら同行者(40代の弁護士のJICA専門家)より常に30分から1時間ほど遅れながらも、出発から4日目に最終目的地のキャンジン・ゴンバ(3,840m)に到着しました。人によっては1日早く着くと思いますが、我々は高地順応の為、その手前のランタン(3,430m)にも1泊しました。

道端の高山植物

私は高地順応の為、事前に受診した医師より処方されたDiamoxと言う薬を、3,000mを越える前日より服用したせいか、高山病には掛りませんでした。しかし、JICAの「トレッキングの手引き」には過信はするな、と記載されていますので要注意です。

キャンジン・ゴンバ1泊後、早朝8時前に小屋を出て、死ぬような思いで何とかランタン・リルンとそこから流れ出る氷河を目前に眺める事が出来るピークに上ってこのトレッキングの目的を果たしました。

 

「死ぬ思い」だの「トレッキングの目的を果たす」等「トレッキングを楽しむ」とは程遠い言葉を使っておりますが、実際に上っている時は「こん畜生、こん畜生」と言う言葉を実際に吐きながら、5m登っては休み、10m登っては休みと言う状況でした。同行したガイドも、帰路の車の中で「私は登れないのではと思った。」と言っておりました。今、思うと一度でもガイドが「大丈夫か?」等とほざいていたら、その時で登るのを諦めていたかもしれないなと思っています。

いかにも高山に分け入ったような感じの一枚。シャングリラを夢想するもむべなるかな!

しかし、登ったピークからの眺めは実に素晴らしく廻りを標高7,227mのランタン・リルンや 5,000m以上の山々に囲まれ、幾つもの氷河を眼前にすると、それまでの苦労を差し引いても余りある気がしました。(写真参照、烏滸がましくも「NOB」等と小石で書いて写真を撮っておりますが、これもその時の感動を如実に表した児戯とお笑いください。

つづく