投稿しているサイトでノルウェーのベルゲンの訪問記事を見て、今から20年以上前のことですが、ベルゲンからロシア国境のキルケネスまで6泊7日の船旅をしたことを思い出しました。
元々、この旅はオスロの市電を含めた交通システム調査が目的でしたが、その時に撮った実にうらやましい市電の写真です。両側の車道に挟まれた芝生の市電専用路。
さて本題の船旅ですが、この船旅は、『世界で一番美しい航路を走る』と言われていますが、観光航路ではなく普通の商業航路です。食事の際のドレスコードなど煩わしいいことは一切なく、気楽な船旅ですが、その代わり船室はそれほど大きくないので、持ち込んだバッグ類は、預かってもらえます。
今は船も観光客用に改装され、部屋も広くなっているようですが、航路は全く変わりなく、今での島々の人たちの生活の足となっているようです。
ベルゲン(北緯60度23分)を出港した船は、ノルウェーの西海岸にそって無数にある小さな島の港に、それぞれ1時間から2時間ほど寄港しながら2400㎞の航路を北上します。寄港する時間帯は、航行時間によって夜中であったり昼間だったり様々です。
この旅は、5月位の白夜のころでしたので、真夜中でも黄昏時ほどの明るさで、真夜中でも街歩きも出来ましたし、不思議なことに色々な店も開いていました。もう、温かな季節になっているはずでしたが、意外に寒く街でハンティングジャケットを買い、今でも愛用しています。
この船に10月以降の冬場に乗ると素晴らしいオーロラが見れるそうですが、夏場の乗船では全く気配もありませんでした。
一番上の階は乗客展望室になっています。大きな海を横断する船と違って沿岸を進むこの航路では、色とりどりの家が立ち並ぶ景色や切り立った絶壁など航行を楽しむ事が出来ます。
寄港の度に、船腹に開いた大きなスロープを下り上陸するのですが、そこに大きく出港時間が表示されており、それを目安に散策に出かけます。
ぶらりと船から降りて町の喫茶店に寄り、のんびりとお茶を飲んだり買物をしたりしました。時には町の傍まで近寄ってきたトナカイを見ることもありました。
所で船旅では、食事は料金に含まれています。ビュッフェ形式の食事ですが、その内容は実に様々で素晴らしく美味しく食事時間は一つの楽しみでした。
また、途中で船に積んであるランチ(小型モーターボート)で、フィーヨルド見学のオプションツアーもあり楽しみました。
途中の小さな港では、船が横づけ出来ないので、このランチが使われますが、これは船旅で友達になった人との別れのシーンです。
さて、この旅でのハイライトは、北緯66度33分を超えて北極圏に入るときに行われる船上での「北極祭り」です。ノルウェー神話の神様の仮面の人が、乗客の背中に氷水を注ぎ込むという単純なものですが、これで一挙に乗客同士が近しくなるような感じでした。
出港して7日目の朝に、ロシア国境まですぐというキルケネス(北緯69度43分37秒) に到着します。ロシア国境に行っても単に2m程度の金網のフェンスがあるくらいで、周りは雑草の野原という状態でした。
此処からオスロまでは飛行機で戻りましたが、実にのんびりした時間を楽しんだ船旅でした。
船旅には、その航路によって4種類の船旅があります。
- 一つの国の中の河や運河をめぐる船旅(ナイルクルーズ、黄河クルーズ、イギリス国内の船旅など)
- 幾つかの河や運河をめぐる船旅(一番長いものは、セーヌ川から黒海までの船旅)
- 一つの国の周りを巡る船旅(このノルウェー沿岸航路、日本沿岸の船旅など)
- 幾つかの国をめぐる船旅(世界一周航路、大西洋沿岸航路、地中海航路など)
別の機会にこの船旅についても、拙文をご拝読頂きたいと思っております。
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